「絆づくりが大切」─こころの健康講演で高垣氏
宮古島市障がい福祉課 (豊見山京子課長) の2013年度自殺対策事業・こころの健康講演会 「自己肯定感ってなあに?~あなたはあなたで大丈夫」 が28日午後、 市中央公民館で行われた。 立命館大学大学院教授の高垣忠一郎氏が講演し、 参加した市民らが自殺防止に向けた心の健康づくりについて認識を深めた。
高垣忠一郎氏
講演で、 高垣氏は会場への質問を交えながら 「いま多くの子どもたちが、 親は話を聞いてくれても自分のつらい・苦しい気持ちを受け止めてくれないと思っている。
生きにくい時代になって親の余裕もなくなっているが、 日ごろから苦しいこと、 つらいことも話せるような関係を作っていくことが大切」 と強調。
さらに 「競争の激しい厳しい世の中で、 子どもが弱みを出しにくくなっている。
頑張ればかりのガンバリズムは非常に良くない。 全部1人で抱え込んでしまう。 とりわけ男の子はプライドもあってそうなりやすい。 子どもとしっかり絆を作っていくこと。 弱さがあっても良い、 自分は自分で良いんだと思えるようになったら大丈夫」 などと説明した。
自殺予防に向けた高垣氏の講演会に聞き入る参加者ら
=28日、 市中央公民館
主催者あいさつで、 豊見山課長は 「うつ病やアルコール依存症など様々な相談があるが、 自己肯定感が低い方が多い。
また最近の子どもや若者は自己否定の思いを持ち、 なおかつ周囲に打ち明けられないという2つの悩みを持って成長している。 講演を通し、 きょうから実践できることなど多くの事を学べると期待している」 などと期待を寄せた。
高垣忠一郎 (たかがき・ちゅういちろう) 1944年高知県生まれ。 京都大教育学部卒 (臨床心理学専攻)。 大阪電気通信大教授を経て立命館大大学院応用人間科学研究科教授。 臨床心理士を目指す学生を教えながら病院精神科でカウンセラーを務める。 30数年間登校拒否問題に取り組み、 現在は登校拒否・不登校問題全国連絡協議会の世話人代表も務めている。
宮古新報