喜び悲しみ歌に乗せ 上田正樹さんら熱唱
上田正樹さん(手前左)とともに「今ある気持ち」を歌う
子どもたち=豊見城市・豊崎美らSUNビーチ
【豊見城】
歌手の上田正樹さんが東日本大震災被災地を訪れ生まれた曲「今ある気持ち」を28日、夏休み中に福島県などから来県した子どもたち89人と豊見城市の子どもら48人と一緒に、豊崎美らSUNビーチで熱唱した。
今秋からは、市内の学校で上田さんも参加して練習を重ね、来年の2月ごろ、児童・生徒の歌声を盛り込みCD化を目指すという。
この取り組みは「“10000の瞳”プロジェクト」で、2011年に、宮城県石巻市立稲井小学校や岐阜県高山市立松倉中学校の児童生徒804人の歌声とともにCD化。被災地の緑の復興の募金で配布され、募金を後押しした。
その後、より多くの子どもに歌ってもらおうと活動を拡大。
この日は、豊見城市での震災復興支援チャリティーイベント第2回「We are one」で披露、5千人の歌声を目指し、沖縄でも歌い継ごうと新たな一歩を踏み出した。
上田さんとともに子どもたちは、「よろこびも悲しみも 思い切りぶつけて」と歌い上げた。
福島県などからの参加者は、沖縄県ユースホステル協会が、学校の長期休暇に合わせて受け入れる事業で県内に滞在している。
参加した車田絢音(あやね)さん(11)=福島市=は「津波で亡くなった親類がどんな気持ちだったのかや、震災で転校してきて、早く帰りたいと話してきた友達の顔が浮かんだ」と話し、「沖縄の子にも声をかけ、沖縄のことをよく知りたい」と話した。
座安小学校5年の山内来里葵(くりあ)さん(10)は「優しい曲だと思った。被災地の人には、元気になってほしい」と思いを寄せた。上田さんは「子どもたちが大人となった時に、思いをずっと引き継いでくれるとうれしい」と語った。
沖縄タイムス