クイチャー踊り「雨乞い」 城辺比嘉
地域の住民大勢が参加し 「雨乞い」 のクイチャー
を繰り広げた=4日、 比嘉公民館前広場
真っ青な空、 乾いた大地にクイチャーの音が鳴り響いた。
4日、 城辺比嘉公民館前広場で同自治会 (下地修会長) 主催の 「雨乞い」 が行われ、 住民らが 「さっさー、 さっさー」 のかけ声を上げながら伝統のクイチャーを踊った。
少雨状態が続く宮古島。 7月の降水量はわずか40㍉。 平年値に遠く及ばず、 基幹作物のサトウキビ畑では地割れの現象も徐々に拡大。 農家の焦りも次第に色濃くなってきた。
雨乞いは同自治会で昔から受け継がれてきた。
集落の女性によると、 「いつやっても良い」 というわけではなく、 御嶽ニガイの年中行事 (=豊年祭、 今年は8月5日) 前日に行うのが習わし。
前々日に集落内の司御嶽に報告し、 翌日にはツカサンマと各家の代表が御嶽を訪れ、 水の神を公民館前広場に案内した上で 「雨乞い」 を執り行う。
この日は午後5時頃に住民多数が公民館前広場に集い、 大きな輪を作ってクイチャーを乱舞。
かん水用トラックから放たれる水を全身に浴びながら長期化が心配される干ばつの1日も早い解消を祈願した。 ちょうど濃い灰色の雲が上空に差し掛かると 「さっさー、 さっさー」 のかけ声を一層高々と響かせていた。
下地自治会長は 「先月27日頃から日取りを決めて計画していた。 1日も早く雨が降ってほしい」。 照屋秀雄さんは 「昔から雨が少ない時期には雨乞いをしてきた。 記憶では80%の確率で降っている。 今年も大丈夫だと思う」 と笑顔で話し、 雨乞いの効果に期待を寄せていた。
「雨乞い」 で勇壮な龍の舞を奉納する宮古龍獅団
=4日、 地下ダム水位水質監視施設前
同日は宮古土地改良区 (仲間克理事長) も城辺福里の地下ダム水位水質監視施設で 「雨乞い」 を行った。 宮古龍獅団 (砂川吉一団長) に依頼し、 水と関わりが深いという龍の舞を奉納。 強い日差しの下、 力強い龍の舞を披露した砂川団長は 「とにかく、 1日も早く雨が降ってほしいと強く願って踊った」 と息を切らしながら話していた。
宮古新報