歴史文化ロード「綾道(あやんつ)」冊子に
「友利元島遺跡」、「上比屋山遺跡」がある方向を
示す案内版=城辺友利
宮古島市教育委員会生涯学習部文化財係は、 歴史文化ロード整備事業で砂川・友利コースの 「綾道 (あやんつ)」 の冊子を作った。 友利元島遺跡や上比屋山遺跡などが写真、 イラストを入れながら分かりやすく編集。 またコース沿いには遺跡の案内版を設置し、 住民や観光客らがスムーズに行けるようにしている。
=写真右=
歴史文化ロード整備事業は一括交付金を活用し、 2012年度は3800万円の予算で砂川(うるか)・友利コース「綾道」の冊子=写真右=を1万2000部作ったほか、 案内版を設置した。
また市指定「四島の主の墓」の修復工事が行われた。
13年度は平良北コース、下地来間コースの冊子を作る予定だという。
全長約5㌔で、 所要時間3時間から4時間かかる砂川・友利コースの 「綾道」 には 「友利元島遺跡」 (埋蔵文化財)、 「城辺町の友利のあま井」 (県指定有形民俗文化財)、 「金志川豊見親屋敷跡遺跡」 (埋蔵文化財)、 「上比屋山遺跡」 (県指定史跡)、 「ウイピャームトゥの祭場」 (県指定有形民俗文化財)、 先島諸島火番盛 「砂川遠見」 (国指定史跡)、 「うるかのクイチャー」 (市指定無形民俗文化財)、 「友利のクイチャー」 (同) などが編集されている。
友利元島遺跡については、 「13世紀から18世紀後半にかけての集落遺跡。
1995年に行われた発掘調査で、 1771年の大津波が運んだ砂や小石が近世の生活の跡を覆った状態で発見されており、 津波によって当時の集落が大きな被害を受けたことが分かっている。 その後集落は海岸線近くから現在の位置に移動した」 と説明し、 12年度の発掘調査報告では発見された人骨、 シャコ貝を素材とした斧などを紹介している。
友利のあま井 (ガー) では、 上からみた図や 「洞窟井泉 (降り井)」 はどうやってできたのかについてもイラスト入りで説明。 金志川豊見親の屋敷跡から150㍍ほど西側にある洞泉の金志川泉 (きんすきゃーがー) に出てくる 「雍正日記 (1227年)」 は、 宮古島で最も古いと言われている文献 「宮古旧記類」 の一つと説明している。
文化財の体系図は、 従来の文字の説明に加えてイラスト入りで子どもたちにも分かりやすく紹介している。
宮古新報