「比謝川の太陽」平和な村築く勇者を熱演
村内の児童・生徒が熱演した「比謝川の太陽」
=読谷村文化センター鳳ホール
【読谷】村創作子どもミュージカル「比謝川の太陽・チャンミーと6人の勇者」(主催・村教育委員会)が17日、村文化センター鳳ホールで上演された。村内の小学4年生から中学3年生までの子どもたちの熱演に、観客はくぎ付けになった。
物語は、琉球王府の元士族で、大正から昭和にかけて読谷村の比謝矼(ばし)に居を構え、生涯を空手に生きた実在の空手家で「チャンミー」の愛称で親しまれた喜屋武朝徳氏と、6人の子どもたちの勇気と冒険のファンタジー。
村人たちが「耳切り坊主」に魔法をかけられ、怠け者になる中、子どもたちがチャンミーから空手を習い、いたわりと優しさに気付き、平和な村を仲良く築く大切さを誓い合うというストーリー。2011年に続き、2度目の公演。
村内の小中学生を対象とした事業で、2年に1度舞台公演を行っている。今回は5月から、演技指導や村内空手道場での形の指導を受け、本番に挑んだ。90分の熱演に、観客からは大きな拍手が送られた。
耳切り坊主を演じた読谷中3年の知花杏樹さん(14)は、小学4年生から参加。今回が最後の出演となった。「自分の出番が来るまで緊張したけど、知人の顔が観客席に見えて緊張も解けた。この場所に立てて良かった」と涙ぐんだ。
6人の子どもの内の1人を演じた古堅中3年の山本華江さん(14)は「年齢も違うみんなで、一つのことに向けて努力し、やり遂げられることが学べた」と満足げに語った。チャンミー役の古堅小4年の伊狩吉尚朗君(9)は「最初は嫌だったけど、先輩たちとコミュニケーションを取って頑張れた。先輩たちのように演じられるよう、また参加したい」と笑顔で話した。
沖縄タイムス