黒小豆で味噌と醤油、総実高が九州農ク大会優秀賞
九州学校農業クラブ大会で優秀賞に選ばれた生活福祉科
の生徒たち=宮古総合実業高校
このほど長崎県で開催された九州学校農業クラブ連盟発表大会で、 県立宮古総合実業高校生活福祉科3年の島袋美咲さんら4人が、 黒小豆の利用拡大と普及に関する発表で優秀賞に選ばれた。
伝統食材ながら今はあまり食卓に乗らなくなった黒小豆で、 味噌と醤油を造るという新しい試みにチャレンジ。 黒小豆の可能性を広げていくヒントになりそうだ。
黒小豆で作った味噌と醤油
これまで同科では黒小豆に関して粉末化や製麺、 お菓子づくりなどを研究してきたが、 他の小豆類に比べて高いタンパク質を生かそうと昨年度から味噌と醤油への加工に取り組んできた。 黒小豆と米麹、 大豆と黒小豆麹の味噌を作り、 その味噌からたまり醤油を採取した。 味噌は宮古みそよりやや色が濃く、 醤油は黒小豆の甘い風味があるという。
成分分析の結果では、 黒小豆麹を用いることで味噌のアミノ酸価が向上することが分かったという。 特にロイシンは宮古味噌の2倍以上、 グルタミン酸は1・5倍以上だった。 今後は黒小豆を大豆や小麦のアレルギー代替食品として利用できるか探っていくという。
研究に取り組んだのは島袋さん、 謝敷果南さん、 下地江観那さん、 砂川奈津希さん。
23日、 同校で受賞報告が行われ、 島袋さんは 「3年間やってきた研究の集大成。 誰も味噌作りをやったことがなかったので一から取り組み、 どれが失敗か成功かも分からなかった。
使い道の幅を広げるため取り組んだ。 優秀賞は嬉しい。 宮古の黒小豆を分かってもらえたと思う」 と喜びを話した。
担当の大石美也子教諭は 「3年間コツコツ取り組んできたことが評価されて良かった。
農業や食品調理、 福祉など学校で学んだことを全て生かすことができた」 と話した。 同校の伊志嶺秀行校長は 「3年間の調査研究が表彰された。 自信と誇りを持ってほしい。 地域食材の利用を校内に止めず、 味噌を作ったことを地域にもピーアールしてほしい」 と述べた。
宮古新報