健康と繁栄祈願 首里赤田町みるくウンケー
復活して20年を迎えた首里赤田町の民俗行事
「みるくウンケー」=25日夕、同町
那覇市首里赤田町の民俗行事「みるくウンケー」(主催・同実行委員会、赤田町自治会)が25日夕、赤田クラブ(公民館)を中心に同町内で行われた。
戦前から60年間途絶えていた同行事は、復活してことしで20年を迎え、記念式典も開かれた。スネーイ(行列)とみるくへのウトゥイムチ(おもてなしの芸能奉納)が行われ、住民の健康と繁栄を祈願した。
スネーイでは子どもたちの路次楽(るじがく)隊が奏でる「赤田首里殿内(すんどぅんち)」などの音色が響いた。福々しいみるくがうちわを片手に練り歩き、御利益がある風を人々に送った。みるくの大きな顔に、怖くて泣き出す子もいた。
実行委の照屋寛孝会長(72)は「赤田、崎山、鳥堀は『首里三箇(さんか)』と呼ばれ、琉球王朝時代から酒造所の街として青年たちがたくさん働く、意気盛んな地域だった」と昔を振り返った。
300年ほど前、求道(ぐどう)長老という僧侶が中国から掛け軸を持ち帰り、赤田首里殿内にまつった。天然痘やはしかが流行した年、赤田では病が軽く済んだことから「みるくウンケー」が始まったとされる。
琉球新報