12年ぶりだね 夏祭り 糸満・真栄里団地
沖縄水産高校の生徒が企画した抽選会でくじを引く住民
=25日、糸満市真栄里
【糸満】
糸満市の真栄里団地自治会(安里勝利会長)は25日、沖縄水産高校の生徒の協力を得て12年ぶりに夏祭りを同団地内で開催した。
卒業生の9割が福祉業界に就職する同校総合学科福祉サービス系列の生徒が中心となって手伝った。生徒と住民が一緒に出店を出し、出し物を披露するなど、地域と学校が一体となって祭りを盛り上げた。
同団地では少子化の影響で子どもが減り、毎年開催していた祭りが「自然消滅」(安里会長)したという。加えて、高齢化で老人会活動が停滞し、一人暮らしのお年寄りが外部とコミュニケーションを取る機会も少なくなっていた。
事態を見かねた市社会福祉協議会が地元の沖縄水産高校に声を掛け、現場実習を兼ねた高齢者の生活支援に乗り出した。生徒が高齢者をもてなす「ユンタク会」なども毎年開催している。
祭り当日には団地内の広場に舞台が設けられ、沖水ダンス部のヒップホップダンスや福祉サービス系列クラスの手話ソングなどが披露された。
団地に20年近く住んでいる照屋ヨネさん(76)は「昔は祭りが毎年あったが今はなくなった。生徒が頑張っていてパワーをもらった。水産高校と真栄里団地は親子のようだ」と笑顔で話した。
同校3年の名幸千智さん(17)は「自分たちが何をできるか考えて祭りを復活させることになった。高齢者や子どもも多く集まってくれた。祭りが来年以降も続いてほしい」と願いを込めた。
琉球新報