「学校なくさないで」…来間中存続求め住民訴え
統合後について説明に訪れた市教委に抗議する住民たち
=先月30日、 来間離島振興センター
学校をなくさないで―。 悲鳴にも似た住民の訴えが夜の来間島に響いた。 先月30日、 来間離島振興センターで開催予定だった宮古島市教育委員会による来間中学校統合後の条件整備等に関する説明会は、 合意なき統廃合と廃校案取り下げを求める地域住民の抗議の場となった。
会場には他の統廃合対象学区住民や問題に関心を持つ市民、 学校教諭らも駆け付けて市教委の姿勢を批判した。
引き上げる市教委の車両を住民らが囲み、 納得できる説明を求めるなど対立は激化。 同問題は行政と住民の紛争に発展しつつある。
会場には地元の子どもからお年寄り、 また他地区からも大勢が参加。 市教委の宮国博委員長らに9月市議会への来間中廃校案の取り下げなどを求めた。
ある高齢者は 「上から 『こうしろ』 と言うのが民主主義か。 市教委は人に教えていく立場の人が住民の意見を抑えつけている。 上から押さえつける教育は民主主義の教育ではない」 と抗議した。
市教委に議案の取り下げを何度も詰め寄った同校3年の砂川進一君は 「ちゃんと生徒の意見も聞いてほしい。 来間に学校があっていつでも帰って来られるようにしてほしい。 小さな学校でもできることがたくさんあることを教育委員の人たちは分かっていない。 学校を無くさないでほしい」 と訴えた。
来間島で家屋建築の調査のため滞在中だった芝浦工業大学の男子学生 (22) は 「住民への聞き取り調査ではすぐに学校の問題が出てきたが、 絶対に無くさないでほしいと話していた。
若者が戻り、 Iターン者が住むには学校は必要。
橋が架かっているとは言え、 学校に近い方に住んでしまう。
2週間の滞在だったが住民をはじめとても良い島だった。 学校は無くならない方が良いと思う」 と話した。
2年後の統廃合方針を示されている宮原小学校PТAの木曽健二さんは、 これまでの市教委の姿勢を 「ただの説明で住民の声を常に聞こうとしない。 われわれの質問も何一つ回答をもらっていない。 同意を求めるなら何度も地域に足を運べば良い」 と批判。 「統廃合を軽く見ている。 住民あっての行政なのか。 住民の疑問や不安に答える具体的な教育ビジョンが見えない。 学校が無ければ若者は帰って来られなくなる。 限界集落を作ってしまう」 と語っていた。
宮古新報