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一葉作品、越語で出版 名桜大・ニェンさん(沖縄)

2013年9月3日 - スタッフ公式
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一葉作品、越語で出版 名桜大客員研究員・ニェンさん
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ベトナム語訳した「たけくらべ」の本を持つ
グュェン・ド・アン・ニェンさん=8月30日、名桜大
 【名護】
ベトナム出身で、名桜大総合研究所客員研究員のグュェン・ド・アン・ニェンさん(37)がベトナム語訳した樋口一葉の「たけくらべ」ほか3編が、このほどベトナムで出版された。
一葉作品を原著からベトナム語に訳したのはニェンさんが初めてという。ニェンさんは「親子の愛情など表現は違っても共感できる部分があった」と話した。今後は沖縄の民話もベトナムに紹介する予定で、文学を通した交流の懸け橋としてさらなる飛躍を誓った。
 一葉作品は、これまで日本以外の外国語本を基に翻訳し、ベトナムで紹介されていたという。名護で暮らすニェンさんが一時帰国した際、恩師や出版社に勧められて、約1年をかけて翻訳した。
 名桜大の修士課程で宮沢賢治の研究や翻訳をしたニェンさんは「日本の代表的な作品でもあり、同じ女性として取り組んだ」と語る。
 「たけくらべ」以外に「十三夜」「にごりえ」「闇桜」の4編を一冊にまとめた。日本独特の四季を表現するのに作品の舞台となった場所を訪れて、一葉の世界を体感した。
 文学作品だけでなく、7月からベトナムの子ども向け週刊誌に沖縄の民話を紹介しており、今後も継続するというニェンさんは「いろいろな話を紹介したい」と意欲を見せた。
 一葉作品とは別に大阪市立大の研究者と共訳した「ベトナム独立・自由・鎮魂詩集」(コールサック社)も発刊された。ニェンさんから出版の報告を受けた名桜大の瀬名波栄喜学長は「双方向で文化を発信する姿勢が素晴らしい。日本人学生の刺激にもなり、国際文化交流で続く人が出てほしい」と激励した。
  琉球新報

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