伝統の十五夜“若獅子”奮迅
「全島獅子舞フェスティバルにも出てみたい」と話す
伊佐恒太さん(右)と池原槙之佑さん
=3日午後、浦添市・仲西公民館
【浦添】
市指定文化財・仲西の獅子舞で、会社員の伊佐恒太さん(22)と琉球大学1年生の池原槙之佑さん(19)の若手が、活躍している。コンビを組んで5年目。「演舞は大きく見え、獅子の表情も変わってきた」と厳しい先輩方の信頼も勝ち得た。今年は19日に当たる旧暦8月15日の十五夜も近づき、公民館での練習が熱を帯びる。
市内で唯一オスが舞う仲西の獅子舞。力強さが特徴で、伝統9種目のうち近年は5~6種目を3~4組に割り振られる。ペアは30~40代が多い中で、2人は異例の若さだ。2000年ごろに始まった子ども獅子舞で経験を積み、後継者育成が実を結んだ象徴的な存在でもある。
池原さんは小学2年の時に子ども獅子舞に初めて参加。中学2年の際、父親の誘いで本獅子に大抜てきされた。翌年から3歳上の伊佐さんとの共演が続く。目標は力強い演舞。「初めて見た人も玄人も圧倒させられるようになりたい」と抱負を語る。
伊佐さんは小学4年で棒術にとりつかれた。その後、獅子舞に興味が出たと言い「面白いから続いている。お客さんをわかせるのが楽しみ」と話す。
保存会の眞島章次会長(56)は「2人は練習熱心。青年会の先輩の指導を受け、今では中心的な存在になった」と努力を続ける姿勢を評価する。
「大人になってからでは遅い」と、子ども育成会長のときに子ども獅子舞をスタートさせた比嘉英二さん(61)は「去年から獅子の表情が変わった。かぶっただけで大きく見える。同じ目、同じ獅子頭なのに、表情がまったく変わった」と2人の成長ぶりに目を見張った。
沖縄タイムス