水中文化遺産を紹介 27日まで
八重山で発見された中国産の陶器に見入る見学者ら
=2日午前、八重山博物館特別陳列室
海と船の企画展「海に沈んだ歴史~タイムカプセルを探してみよう~」(石垣市教育委員会主催)が1日から、市立八重山博物館特別陳列室で開かれている。27日まで。月曜日は休館。
古くから日本の南の玄関口だった南西諸島とアジアの諸地域では多くの船が行き交い、途中、いくつもの船が遭難、当時の交易を物語る証がいまなお海底や沿岸部に存在しているといわれる。
今回の企画展は、特に琉球王国時代の沈没船や関連文化財を水中文化遺産として位置づけ、多くの人々に理解を深めてもらおうと開かれた。
会場には、大量の中国産陶磁器があるシタダル遺跡、四爪鉄錨が県内で初めて見つかった屋良部沖海底遺跡、沖縄産陶器が散乱する石西礁湖黒島沖など八重山の海に眠る水中文化遺産をはじめ、県内16カ所で発見された陶器などの交易品のほか、海底調査中の写真や水中ロボットによる調査風景の映像などが展示されている。
修学旅行で兵庫から訪れた麻植(おえ)拓海君(高校1年)は「昔の人が陶器などを船で運んでいたということが実感できた」と話し、田中昭次君(同)は「沖縄が中国の影響を受けた様子が分かって興味深かった」と感想を語った。
また、期間中の5・6の両日はこれらの水中文化遺産に調査に関わった県立博物館・美術館学芸員の片桐千亜紀氏によるギャラリートークがある。水中考古学の最新情報や調査の意義などを展示品を見学しながら、分かりやすく解説するもので、5日午後2時と6日午前10時と午後2時から開かれる。各回とも約30分。
それぞれ先着20人、入場無料。
八重山毎日新聞