米軍返還地「複合汚染」 専門家が意見書
米軍嘉手納基地の返還地にある沖縄市サッカー場の汚染問題で、ダイオキシン類に詳しい摂南大学の宮田秀明名誉教授が「多様な2・4・5-T(除草剤)製品、農薬のPCP、焼却関連物質、PCBなどの混合物に由来する」との意見書をまとめた。発掘されたドラム缶の内容物の種類や構成がばらばらなことから、「複合汚染」との見方を示した。
2・4・5-Tは米軍が枯れ葉剤としてベトナムでまいた除草剤。宮田氏は取材に対し、「ドラム缶には枯れ葉剤だけでなく、他の物質も一緒に詰めて廃棄したのではないか」と語った。
今後の調査については「国と市がきちんと協議し、中立的な専門家の意見を取り入れて手法を決めるべきだ」と指摘した。
沖縄・生物多様性市民ネットワークが宮田氏に、沖縄防衛局と沖縄市による調査結果の評価を依頼。宮田氏の意見書を8日、県を含めた関係機関に送った。
同ネットワークの河村雅美ディレクターは「多くの専門家の目が入ることで、めちゃくちゃな投棄の実態が浮かび上がってきた」
と話している。
沖縄タイムス