四半世紀超え4演目復活へ 津嘉山区「村あしび」
来年の全編復活へ向けて、19日に津嘉山区村あしびで
上演する組踊「忠臣身替の巻-八重瀬」第1場のけいこ
=南風原町の津嘉山公民館
【南風原】
町津嘉山区が19日午後6時から公民館で開く「村あしび」で、二才踊り「湊くり節」が31年ぶりに上演されるなど4演目が四半世紀を超えて復活する。25年ぶりの組踊「忠臣身替の巻-八重瀬」は第1場だけの上演だが、来年全編の復活公演を計画しており、本公演を足掛かりにしようと稽古に余念がない。
復活するのはそのほか、27年ぶりの女踊り「かしかけ」、25年ぶりの狂言「後ヌ屋のマジルー」。津嘉山民俗芸能保存会が中心となって復活上演を進めており、会長の仲本貞夫さんは「津嘉山には素晴らしい人材がおり、町ではできないことも、この地域ではできる」と芸能の掘り起こしに意欲を見せる。
村あしびは昨年、13年ぶりに開いた「十五夜あしび」を、今年は時期と名称を変えて実施する。保育園児から80歳近くのお年寄りまで、総勢約150人が19演目に出演する。県の一括交付金や文化庁の文化遺産地域活性化推進事業を活用し、衣装や小道具をそろえた。
組踊「忠臣身替の巻-八重瀬」の稽古は8月中旬から開始。立方や地謡ともに本番に向けて備えている。
主役の按司役は、同区出身で前回の公演にも携わった「仁風会」金武良章琉球芸能研究所会員の大城康彦さん(65)。「好きな芸事で古里と関わることができるのはうれしい。来年に向けての良いアピールになれば」と気合を入れる。
立方として共演する仲村渠陽介さん(26)は「下の世代につなげていくために学びながら取り組みたい」と張り切っている。
沖縄タイムス