5年ぶり3万羽超、ことしのサシバ飛来数
今季飛来数調査で過去最多となった13日、
サシバの群舞が観察された
=伊良部地区下地島上空 (与儀一夫さん撮影)
毎年10月8日ごろの 「寒露」 に越冬のため南下する途中、 宮古島地方に姿を現わすサシバ (ワシタカ科) の2013年飛来数が、 5年ぶりに3万羽を超えた。 今月8~21日、 最大の中継地である伊良部島と平良久松で調査した県自然保護課、 宮古野鳥の会が29日、 発表した。
調査まとめによると、 期間中の飛来数は3万1833羽となり、 1990年以降では過去3番目に多い飛来数となったが、 関係者は 「10~40年の長いスパンでみるとサシバは減少している」 と強調している。 内訳は伊良部3万1187羽、 久松646羽。
今季は沖縄本島や九州地方に接近した台風がサシバの南下に大きく影響し、 例年は2、 3回ある飛来数が多くなるピークが12~14日の1回のみとなった。 特に13日は一日当たりでは過去最多となる2万1343羽が飛来。 台風23号が宮古諸島に接近したことや、 24号が沖縄・奄美から九州にかけて北上したため、 南下できずに沖縄本島や奄美列島で滞留したサシバと、 九州からのサシバが合流して一気に南下したことが要因としている。
調査では憂慮すべきこととして、 宮古島への飛来数が前年に続いて1千羽を下回り、 過去最少となったことを示した。
台風による倒木や工事の伐採などで樹木が減少していることを指摘。 特に例年、 調査地となっている松原墓地団地北側高台の通称・夕陽が丘付近で土地改良が実施されているとし、 「樹木を残すなどの工事方法に変えるべき」 と強調するとともに、 リュウキュウマツなどの植樹を呼びかけている。
今年の調査には関係者のほか、 伊良部中学校、 伊良部高校の生徒も参加したほか、 密猟防止パレードなどが宮古島市、 宮古島警察署の協力で行われた。
宮古新報