非戦誓う鎮魂の舞 日韓関係の安定願う
韓国の舞踊も奉納された韓国人戦没犠牲者慰霊大祭
=糸満市摩文仁・韓国人慰霊塔
【糸満】市摩文仁の韓国人慰霊塔で26日、戦没者慰霊大祭があり、関係者約100人が、沖縄戦などで日本に徴兵、徴用されて犠牲になった韓国の戦没者を追悼、日韓の安定した関係や非戦を願った。
主催は在日本大韓民国民団沖縄県地方本部(朴(パク)英玉(ヨンオク)団長)と県日韓親善協会(大城宗憲会長)。
朴団長は「沖縄戦は日本でも最も過酷な戦争。朝鮮半島から連れて来られた1万人以上の方が犠牲になった。悲惨な戦争を繰り返さないために、この慰霊祭を続けることが意義深い」と語った。
大城会長は「戦争では女性や子どもが多く犠牲になる。慰安婦の問題は、日本が責任を持って解決しないといけない」と話し、「今、政治がこじれる状況にあるが、民間の方は近寄るべきだ。日韓が共にアジアの指導者に」と呼び掛けた。
駐福岡大韓民国総領事館の朴(パク)鎭雄(ジンウン)総領事は「韓国から強制的に連行された先祖たちは、日本軍の差別を受けながら異国で悲惨な最期を遂げた。この悲痛な教訓と、慰霊祭の意味を後世に広く伝えなくてはならない」と訴えた。
三線の安冨祖流・県指定無形文化財保持者の仲原善光さんが「述懐節」を献奏し、奉納舞踊として松田あかねさんが「浜千鳥」、韓国伝統舞踊家の金順子さんが「鎮魂の舞踏(サルプリ)」を踊った。
同塔は1975年に建立され毎年、慰霊祭を開いている。
沖縄タイムス