わが町の組踊熱演「忠臣身替の巻」25年ぶり
組踊「忠臣身替の巻-八重瀬」第一場を演じる按司役
の大城康彦さん(右)ら=南風原町・津嘉山公民館
【南風原】
津嘉山区(金城計邦区長)の芸能行事「村あしび」が19日、津嘉山公民館であり、組踊「忠臣身替の巻-八重瀬」第一場の抜粋や二才踊「湊くり節」など4演目が四半世紀を超えて復活、上演された。子どもから高齢者まで区民ら約150人が19演目に出演。観客200人が大きな拍手を送った。
組踊「忠臣身替の巻-八重瀬」は25年ぶりに復活。来年10月に全編復活を予定しており、今回は第一場のみを上演した。
玉村按司を滅ぼした八重瀬按司が捕り逃した玉村の若按司の隠れ家を知り、家臣らに戦の準備を指示させる第一場。
八重瀬の按司役を「仁風会」金武良章琉球芸能研究所・組踊伝継師の大城康彦さん(65)が務め、情感たっぷりのせりふで観客を引き込んだ。来年は指導側に回るため、「組踊に残されたしまくとぅばを若い人に継承してもらいたい」と期待した。
津嘉山民俗芸能保存会の仲本貞夫会長は「若い区民を中心に舞台に上げて、後継者を育成したい。組踊の掘り起こしをやり遂げたい」と舞台の成功を誓った。
このほか二才踊「湊くり節」は31年ぶり、狂言「後ヌ屋のマジルー」、女踊「かしかけ」も25~27年ぶりに上演され、注目を集めた。金城区長は「津嘉山の伝統民俗芸能は先人が残した重要な文化遺産」とし、毎年上演することで継承発展する考えだ。
保育園児のダンスや小学生によるうちなーぐちの発表などもあり、舞台を盛り上げた。
沖縄タイムス