組踊取り入れ音楽劇 赤いキジムナーと青いキジムナー
「赤いキジムナーと青いキジムナー」を演じる(左から)知花小百合、與那嶺理香、高宮城実人=15日、浦添市の国立劇場おきなわ
琉球芸能大使館制作の音楽劇「赤いキジムナーと青いキジムナー」(富田めぐみ脚本・演出)が15日、浦添市の国立劇場おきなわで上演された。浜田廣介の「泣いた赤鬼」を沖縄版に翻案。與那嶺理香のバイオリンを軸に組踊や琉舞を取り入れ、子どもから大人まで楽しめる作品にした。県伝統芸能公演の一環。
人間と仲良くなりたい赤いキジムナー(知花小百合)のために、友達の青いキジムナー(高宮城実人)が悪役を買って出る粗筋。冒頭と終盤で、2人がバイオリンに乗せてテーマ曲「ららら節」を歌う。優しい旋律が心地よい。
時折、やまとぐちのせりふを組踊の唱えに乗せてユーモラスな雰囲気を出した。唱えの魅力にあらためて気付かされる。やまとぐち中心のせりふは子どもにも分かりやすいだろう。ただ音楽に力があるので、もっとしまくとぅばを使ってもいいのではないか。
「松羽目」を「ガジュマル羽目」にした舞台幕も目を引いた。幕と幕の間に入り、木の後ろに隠れるような使い方ができる。
第1部は花岡尚子(しょうこ)らが琉舞を踊った。知花による「なぎなた」では、照明を前から当てて壁に大きな影を映し、勇壮さが際立った。
(伊佐尚記)
琉球新報