石垣市白保の人骨 国内最古を更新
琉大などが復元を目指す保存状態の良い頭骨
(県立埋蔵文化財センター提供)
【石垣
】白保竿根田原洞穴遺跡の最新研究を紹介する講演会(主催・県立埋蔵文化財センター)が1日、石垣市民会館で開かれた。同遺跡の最古の人骨は約2万6千年前で、骨から直接年代が確認された人骨では国内最古を更新したことなどが発表された。
同遺跡の人骨は2010年に国内最古の約2万年前と発表され、日本人のルーツ解明につながると期待されている。
また琉球大学医学部の土肥直美非常勤講師は同遺跡の頭骨から、当時の人の頭部の復元事業を進めていると報告した。
東京大学総合研究博物館の米田穣教授は17点の人骨や木炭、動物の骨から放射性炭素年代を測定。
その結果、石垣島には約2万8千年前から人が住み、洞穴は約1万5千年の間、人が使っていた可能性があると指摘した。
米田さんは「狩猟採集の面積が限られ、津波など災害リスクもある小さな島の洞穴が1万5千年間、使用され続ける例は世界でも珍しい。私たちが知らない生きる仕組みがあったかもしれない」と述べた。
土肥さんは、保存状態の良い1万6千~1万8千年前の頭骨から、人の頭部の復元事業を進めていて、復元されれば県内では港川人に次いで2例目になることを報告した。
沖縄タイムス